第二次世界大戦はどうのようにして起こったのか。それを振り返ると第三次世界大戦は近い将来起こることがわかる。私が生きているうちに... 少なくとも子供たちの時代には起こるかもしれない。
第二次世界大戦は1929年の世界大恐慌が出発点だ。米国を皮切りに、世界中が大不況に喘ぎ、失業者はあふれかえった。これを切っ掛けに、1930年代は世界大戦に向けてエネルギーが溜まっていった。
その動きは経済的側面と思想的側面にに分けられるが、それらが合わさってエネルギーの蓄積は一層大きくなったわけだ。
経済的には保護主義とブロック化がある。
保護主義とは簡単に言うと輸入関税を大きく上げて輸入を減らし、自国の産業保護と国内雇用を増やすということだ。これは同時に海外からの低賃金労働力を排除して自国民の雇用と賃金を守るということでもある。
一方、特定の「お友達国」とは関税協定を結んで選択的に輸入関税を引き下げることで、うまい具合に共存共栄。それがブロック化だ。
このブロック化によって、単体国家の主権や利益が、所属するブロックに帰属していき、やがては石油などの原材料の支配力を積極的に拡張・独り占めしようとし、他のブロックと衝突するわけだ。
思想的側面と言ったが、それは資本主義と共産主義の対峙のことだ。米国が親玉の資本主義側の実質的な支配力はロックフェラー財団と英国のロスチャイルド財閥であることは言うまでもなく、対する共産主義は、ロシアであり、いわゆるコミンテルンだ。
資本主義側は中東の石油生産国に親欧米傀儡政権樹立のスポンサーとなって実質支配し、共産側のロシアと直接対峙する東ヨーロッパも同様に実質支配していった。
資源を持たない日本はこうした動きに大きな危機感を覚え、大東亜共栄圏という独自ブロックをつくることになる。
大東亜共栄圏の思想的な側面も重要だ。なにしろ共産主義の親分は海を隔ててすぐ向こう側で、中国・朝鮮がのみ込まれるのは時間の問題だった。その頃米国はヨーロッパでの対共産化防衛戦しか頭になく、太平洋で共産主義が台頭しても大したことはないとみていたから、日本は自衛するしかなかったのだ。だから朝鮮を併合し、満州国という傀儡政権を樹立して対ロシア防衛線を構築したのである。そのプロセスは欧米がやったこととまったく変わりはない。方法論や結果に問題があったことは事実だが、動機や初動については、欧米側に「侵略戦争」と言われる筋合いはない。同じ事をやらなければアジア全体が欧米にやられる状態だった。
東京裁判の是非、A級戦犯の処刑、靖国神社参拝の是非.... いろいろあるが、すくなくとも「侵略戦争」ではない。
そこで、今起こっていることが何なのか、真剣に考えてみてほしい。第二次大戦前夜にくらべれば複雑化してはいるが、よく見るとやはりブロック化と対共産主義の構図がどんどん顕著になっている。
NAFTA、EU、ASEAN+2、TPP, FTA ... みな特定地域の貿易発展や関税協定のブロック化だ。
そして、共産主義の拡大懸念は第二次世界大戦以降これほど脅威的であったことはない。
中国は軍事力増強を明確に打ち出して日本やフィリピンの脅威となっており、太平洋の海洋支配権拡大を露骨に進めようとしている。
ロシアは、クリミア半島をあっという間に奪還し、今や東ウクライナでも親欧米傀儡政権と一触即発の臨戦態勢にある。また、最近の報道ではロシアと中国が5月中に海軍の合同演習を実施すると言われており、どうやら対欧米・アジアで利害が一致したようだ。
こうならと、韓国や北朝鮮を含めた「大共産共栄圏」の誕生も夢物語ではない。
ここにおいて第二次世界大戦前夜の構図は再現しつつあり、いつ導火線に火がつくか非常に心配しなければならない。
TPP・FTA妥結の加速、憲法改正や靖国参拝はこうした大局のなかで見て行かなければならないし、国民一人一人がもっと真剣に考えなければ大変なことになるだろう。
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2014年5月7日水曜日
第三次世界大戦前夜の様相
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